アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって2つに分類されます
花粉症の原因としてスギが最も多く、その他にもヒノキ、ブタクサ、ヨモギなど様々な花粉があります。
花粉症の患者数は年々増加して有病率は約4割近くなり、近年では低年齢化が進んで10歳未満での発症もみられます。
季節にかかわらず一年を通して存在する、ダニやハウスダスト、ネコやイヌなどに対するアレルギーが原因で起こる鼻炎です。
季節性に比べて喘息やアトピー性皮膚炎を合併する割合が高くなっており、喘鳴や皮膚のかゆみを伴うこともあります。
● くしゃみ
● 鼻水 (水様性鼻汁)
● 鼻づまり (鼻閉)
通年性には、アトピー性皮膚炎・アトピー性結膜炎(眼の痒み、涙)や気管支喘息などの症状を合併することがあります。
また、アレルギー性鼻炎に鼻副鼻腔炎(膿性鼻汁など)を合併することもあり、X線レントゲンやCT検査による鑑別が必要になることもあります。
アレルギー症状を起こす原因物質を減らすことが目的になります。
1. 外出を控える、マスクや眼鏡の着用(季節性、花粉飛散量の多い時)
2. 頻回の掃除や洗濯(通年性)
3. 湿度を保つ
1. 抗ヒスタミン薬(第1世代、第2世代)
✳︎第1世代は緑内障や前立腺肥大症の既往がある方には使用できませんので、必ずご相談下さい。
✳︎抗ヒスタミン薬は眠気症状を伴うことがありますが、様々な種類があるので内服の効果と眠気の程度をみて処方を調整いたします。
2. 抗ロイコトリエン薬、抗プロスタグランジン薬、トロンボキサン薬
鼻づまり症状のある方に使用します。
3. 経口ステロイド薬
症状が重い方に使用します。長期の服用は副作用が出てきますので、必要に応じて処方を調整いたします。
4. 漢方薬
5. 点鼻薬(血管収縮性、ステロイド性)
✳︎鼻づまり症状の強い方に使用します。血管収縮性の長期使用や乱用は、鼻づまり症状の悪化を招き薬剤性鼻炎に進行することがありますので、必要な時のみ短期で使用します。
アレルゲン免疫療法(減感作療法)の一種で、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていくことを目的とした治療法です。10-20%の方に完治を見込むことができ、70-80%の方に症状の改善が見られます。
治療法としては、1日に1回、舌の下に抗原エキスを含みます。スギ花粉症とダニアレルギーの方が対象になります。即効性を期待する治療方法ではなく、最低3年間の定期的な通院治療が必要になります。
スギ花粉症の場合、治療開始の時期となるのは、花粉飛散がおさまった6月以降が目安になります。ダニアレルギーの場合は、時期に関係なく治療開始が可能です。
✳︎初回投与時は、重篤なアレルギー症状としてアナフィラキシーショック(蕁麻疹などの皮膚症状、呼吸困難など)を発症するリスクがありますので、当院内で施行させて頂きます。